税金を納め過ぎた!確定申告を間違えた時に修正内容を申告する「更生の請求」の手続き方法

税金を納め過ぎた!確定申告を間違えた時に修正内容を申告する「更生の請求」の手続き方法

税金を納め過ぎた!確定申告を間違えた時に修正内容を申告する「更生の請求」の手続き方法

確定申告の内容に誤りがあったことに後から気付いた場合、”更生の請求”や”修正申告”を行うことで、正しい内容を申告することができます。

更生の請求というのは、「納める税金が多過ぎた場合や還付される税金が少な過ぎた場合」に行う手続きです。過去5年分まで遡って申告できます。

修正申告は、「納める税金が少な過ぎた場合や還付される税金が多過ぎた場合」に行う手続きです。こちらは申告期限はありません。

私自身、3年前の確定申告で生命保険料控除を申告していなかったことに気付き、実際に更生の請求を手続きしてみたので、その手順を備忘録として残しておきたいと思います。

前提条件と事前準備

今回私が行った手続きは、所得税の更生の請求です。e-Taxは利用していないので書面で提出しました。これらを前提として手順を説明しています。

また、更正の請求書を作成するにあたって、以下の資料は事前に準備しておきましょう。

  • 誤りがある確定申告書の控え
  • 正しい申告内容がわかる書類(控除証明書など)
  • マイナンバー
  • 印鑑(これは後ででも大丈夫です)

確定申告を間違えた時に修正内容を申告する「更生の請求」の手続き方法

更生の請求を行うためには、”更生の請求書”を作成する必要があります。更生の請求書は国税庁のサイト内で作成できますので、まずは国税庁の申告書作成ページへアクセスします。

申告書作成ページの下の方に「新規に更正の請求書・修正申告書を作成する」というリンクがありますので、こちらをクリックします。

新規に更正の請求書・修正申告書を作成する

ちなみに、更正の請求書は一気に作成しなくても、途中で入力内容を保存することが可能です。保存していた内容を使う場合は、「更正の請求書・修正申告書の作成を再開する」から作成を再開できます。

新しいウインドウが開くので、[印刷して書面提出する]をクリックします。

印刷して書面提出する

推奨環境や利用規約が表示されるので内容を確認し、[利用規約に同意して次へ]をクリックします。

利用規約に同意して次へ

更生の請求を行う年を選択し、「所得税の更正の請求書・修正申告書」の[作成開始]をクリックします。

所得税の更正の請求書・修正申告書

「平成〇〇年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告書データをお持ちでない方」の方の[作成開始]をクリックします。

所得税及び復興特別所得税の確定申告書データをお持ちでない方

青色申告承認申請を行っている方は、「税務署から青色申告の承認を受けている場合はチェックをしてください」にチェックを入れます。また、自身の生年月日を入力して、[入力終了(次へ)]をクリックします。

青色申告承認申請のチェックと生年月日の入力

誤りのあった確定申告書の内容をそのまま(誤った状態で)入力します。

確定申告の内容入力

追加訂正等項目の選択画面が表示されるので、修正したい項目にチェックを入れて[入力終了(次へ)]をクリックします。

修正したい項目にチェック

下記の項目について、修正内容をそれぞれ入力します。

  • 収入金額や所得金額
  • 所得から差し引かれる金額
  • その他
修正内容を入力

文字色が青くなっているリンク部分をクリックすると、入力画面が表示されます。

修正がない場合も入力は必須なので、その場合は更正の請求・修正申告前の金額と同じ金額を入力してください。入力確認の列がすべて「入力済み」となるようにしましょう。

ちなみに、生命保険料控除は旧制度と新制度があり、平成24年1月1日以後新たに契約した生命保険は新制度の対象となります。入力欄が分かれているので気をつけましょう。

修正内容の入力が終わったら、[請求額・申告額を計算する]をクリックして次へ移動します。

“更正の請求・修正申告前の金額”と”更正の請求・修正申告後の金額”がそれぞれ表示されるので、間違いなければ[請求額・申告額を計算する]をクリックします。

更生の請求の確認

医療費控除がある場合、「所得金額を修正することにより控除額が変わる可能性があります」という警告が表示されます。所得金額に変わりがない場合は特に気にする必要はありませんが、所得金額に変更がある場合は控除額を改めて計算して確認しましょう。

「更正の請求により還付を請求する税額(減少する税額)」が表示されるので、確認して[入力終了(次へ)]をクリックします。

更正の請求により還付を請求する税額(減少する税額)

こちらは任意ですが、分かる範囲で下記の項目を入力します。

申告の種類や日付など
  • 請求の目的となった申告又は処分の種類
  • 申告書を提出した日、処分の通知を受けた日
  • 更正の請求をする理由、請求をするに至った事情の詳細等
  • 添付した書類
  • 加算税の入力

口座情報を入力します。

口座情報の入力

下記の項目を入力します。

氏名や屋号などの入力
  • 名前
  • 性別
  • 電話番号
  • 職業
  • 屋号
  • 世帯主

住所と提出年月日を入力します。提出先税務署は、住所から自動入力されます。

住所の入力

マイナンバーを入力します。

マイナンバーの入力

[次へ]をクリックすると、申告書が作成されます。[帳票表示・印刷]をクリックすれば、更正の請求書をPDFでダウンロードできます。

更正の請求書ダウンロード

ダウンロードした更生の請求書を印刷し、「印」と書かれている箇所(氏名の横)に捺印して所轄の税務署に提出します。提出方法は税務署に持参しても良いですし、郵送でもOKです。郵送の場合は、簡易書留で送った方が良いですね。

あとがき

手続きを行う前は難しそうなイメージがありましたが、実際にやってみると15分くらいで完了しますし、難しいものではありませんでした。確定申告の内容を入力しなくちゃいけないので、その点がちょっと面倒というくらいですね。

今回は更正の請求を例に説明しましたが、修正申告も手順は同じです。更正の請求もしくは修正申告を行う際は、ぜひ参考にしていただければと思います。

なお、更生の請求を行っても必ず受理されるわけではないようです。税務署が内容をチェックして無事認められれば、還付金が指定した銀行口座に振り込まれます。

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